フローティング・デンシティ
現代中国都市の居住に関するリサーチプロジェクト。まずは古今東西の集合住宅に関する事例収集を行い、後に中国北京市周辺の居住に関する調査を行った。調査の過程で大きな課題として判明してきたのが「蟻族」と呼ばれる若年低収入層の実態であった。
高校や大学を卒業したばかりの彼らは十分な給料をもらうことができずに城中鎮と呼ばれる高密度なスラムに居住することになる。この地域では往々にして不法 な増築が繰り返され、5,6階前後の建物が隣棟間隔を確保することなく詰め込まれている。この劣悪な環境で、中には無窓部屋に数人が詰め込まれるように暮 らし、その人口密度は1500人/haにも達する。
解法の1つは高層化である。上層に高く伸びることに容積率を上げ、一方の地上には広い空地を確保する、近代建築の最も一般的な解法である。しかし、ここで の問題は定収入層の若者を住まわせることである。工事単価が大幅に高くなる高層建築では、低収入層が入居できる家賃設定にはならない。
考えられうるもう1つの解法は、超低層高密度居住である。1500人/haを逆算すれば、一人当たりの土地面積が約7㎡。ワンルーム居住の最低限必要な面 積を20㎡と仮定すると、建築投影面積7㎡のトリプレックスで丁度である。1500人/haという人口密度は、建ぺい率100%、総3階建てと翻訳するこ とができる。
この低層高密集合住宅は外壁開口部を持たない。代わりに上部にトップライトがあり、また地盤面を占有できる。板状につながるプラットホームはピロティで持 ち上げられ、地上面では植物が育てられ、それらが出す新鮮な空気を住戸内に取り込むことが可能である。プラットホームの形状は、ピロティ部に太陽光が届き 易く、また通風が効果的になるように、ゆるやかに波打たせている。
ローコストで、低層かつ超高密度居住。この非常にシビアな条件下で一番快適な居住法は何かを考えた結果、逆説的にそれは自然を模倣する事となった。

共同研究:UAA
住所:中国北京市
用途:集合住宅リサーチ

 

density1
density2
density3
density4
density5

density72F PLAN

density61F PLAN

density11
density10
density9

density83F PLAN

 

 

sam-density info

sam-density 1

sam-density 2

sam-density 3

sam-density 4

sam-density 5

sam-density 6

sam-density 7

sam-density 8

sam-density 9

sam-density 10

sam-density 11